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» 2016年03月16日 10時00分 公開

ありがちな失敗に学ぶ、マーケティングオートメーション導入マニュアルIT導入完全ガイド(3/3 ページ)

[吉村哲樹,オフィスティーワイ]
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見込み客データの名寄せ

 技術面では、特に「見込み客データの持ち方」に注意を払う必要がある。SFAやCRMといった営業支援ツールでは通常、顧客や見込み客のデータを商談や案件ごとに管理する。こうしたデータ管理のやり方は、営業部門にとっては都合がいい半面、マーケティング用途には必ずしも適していない。マーケティング活動は商談ごと、営業部門ごとにばらばらに行うのではなく、会社全体として一貫したメッセージを見込み客に届ける必要があるからだ。

 そのため、同じ見込み客のレコードがデータベース上に複数存在していると、重複するコンテンツや一貫性のないメッセージを送り付けてしまい、結果として企業ブランドを毀損(きそん)する恐れすらある。こうした事態を回避するためには、MAの見込み客データベースを構築する際に、その元となるデータをクレンジングしたり名寄せしたりすることで、重複レコードができないよう留意する必要がある。

顧客データの分断は機会損失 図3 顧客データの分断は機会損失。バラバラにアプローチしていると顧客の潜在的なニーズに気付けない(出典:日本オラクル)

オプトインの範囲は?

 見込み客データベースを構築する際にはオプトイン、つまり「自社からコンタクトを取る許諾を得ているか」にも気を配る必要がある。ここで往々にして問題になるのが「許諾の範囲」の解釈だ。

例えば、イベントや展示会で名刺交換した相手からメールを送る許諾を得て、ある営業部門から定期的にメルマガを送っていたとしよう。この見込み客のデータをMAのデータベースに含める際、メール送信が許諾されているのは初めに接触した営業部門だけだろうか。それとも他の営業部門やマーケティング部門も同時に許諾を得たと解釈できるのだろうか。

 これはMAのデータベース構築時の技術的な課題であるとともに、個人情報保護ポリシーの運用の問題でもある。基本的には相手から許諾を得た個人情報保護規約で定められたオプトインの範囲を厳守すべきである。これをないがしろにしてMA導入後に異なる部門から勝手にコンテンツを送り付けてしまうと、マーケティング効果が得られるどころか、逆に自社の信用を失墜させることにもなりかねない。

IT部門だけで導入を進めない

 これまで挙げてきたように、MA導入の成否を分けるポイントのほとんどが、IT以外の要素で占められている。しかし実際にMA製品を導入するとなると、どうしてもシステム予算を持つIT部門が主導権を握ることが多く、実際にシステムを利用するマーケティング部門や営業部門の意向が反映されにくくなる。その結果、せっかくコストと時間をかけて導入したMAの仕組みも業務現場に浸透せず、やがて使われなくなってしまう。

 こうした結果を招かないためには、MAの導入プロジェクトに必ずユーザー部門や関係部門の意思が反映されるように人員のアサインや意思決定のプロセスに気を配る必要があるだろう。

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