調査リポート
「統合開発環境」シェア(2009年度):シェア情報アーカイブ
開発案件減少により厳しさが増す統合開発環境市場。今後はSaaS開発案件が市場けん引役になると期待される。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、統合開発環境市場は、既存ユーザーのリプレース需要を中心に推移しており、ライセンス料とサポート料を合計した2008年度の市場規模は136億円となった。景気低迷によるシステム開発案件の減少から、市場は若干縮小しており、2009年度は前年対比2.9%減の132億円と見込まれる。
過去にはOSS(オープンソースソフトウェア)の台頭による市場への影響があったものの、OSSツールのみでのシステム開発は、生産性やコスト面で非効率との認識も広まっており、縮小傾向は落ち着きつつある。今後は、活発化しつつあるSaaSビジネスに向けた開発案件が需要を拡大すると予想される。
2008年度の市場占有率を見ると、数量、金額ベースでともに1位となったベンダーが、数量で58.8%、金額で55.1%を獲得し、市場をけん引する。同社が今後発売予定の製品では、.NET Framework 4.0に対応し、リッチインタフェース実装のための機能や、SOA実装のためのフレームワークの強化、マルチコアに対応した並列プログラミングの実現などを提供する。
また数量で2位のベンダーは、買収したツール群を拡販し、PHPやRubyなどのビジネス向け需要開拓を進めている他、C++などの対応製品も中核プロダクトとして展開を継続する。DBツールやモデリングツールとあわせた提供も可能となり、市場全体が減少傾向にある中でも需要増加が見込まれる。
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