調査リポート
「WAF(ゲートウェイ型)」シェア(2009年度):シェア情報アーカイブ
景気低迷によりIT投資が減少する中でも急拡大するWAF(Webアプリケーションファイアウォール)。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)市場は、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングによる被害件数の急増や、PCI DSSの浸透から、景気低迷によりIT投資が減少する中でも急拡大した。
企業のネットワーク上に設置するゲートウェイ型製品は、金融系企業や大規模ECサイト事業者を中心に導入が進んでおり、2008年度の市場規模が11億2000万円、また2009年度は前年対比34.8%増の15億1000万円へ成長が見込まれる。
しかし、既存製品の傾向として価格や運用管理の負担などが高く、SMB(中堅中小)市場での導入は進んでいない。今後は、低価格化によるターゲットユーザーの広範化で、中堅以下のユーザーでの導入も次第に進むとみられる。
2008年度の市場占有率を見ると、国内市場で実績の高かったブランドを買収したベンダーが、数量ベースで40.5%、金額ベースで26.8%を獲得し、ともに1位となった。低価格帯製品も投入しており、2009年度も引き続き需要の拡大が見込まれる。
金額ベースの2位には、運用負担の軽減を図った製品を提供するベンダーが続いた。2008年12月に最下位モデルを発売し、企業規模やサイト規模の小さな企業でも導入が進むとみられる。また、金額で3位、数量で2位を獲得したベンダーなどは、ロードバランサー製品のモジュールとしてWAFを提供しており、既存のロードバランサー製品のユーザーを中心に需要を高めた。
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