「GIS(地図情報システム)」シェア(2008年度):シェア情報アーカイブ
2番手を大きく引き離す形でトップを占めるGIS(地図情報システム)ベンダーとは? 同製品の市場規模や市場予測を紹介する。
ITRの調べによれば、2008年度の汎用(はんよう)GIS市場は、国内21ベンダー合計の出荷金額が前年対比2.2%減の45億円となった。市場がある程度成熟していることに加え、景気後退に伴うIT投資の削減が影響したことにより減少したとみられている。この傾向は続いていることから、2009年度も引き続き2.9%の減少が予想されている。
利用機会や利用者数、コンテンツ量は、ブロードバンドの普及やGPS(Global Positioning System)機能付き携帯電話の普及によって拡大しているものの、ベンダーの売上拡大にはつながっていない。背景には、GISの売上の大半が国や自治体と水道wを含む公共/公益事業者、電力/ガス、不動産業などのサービス業によるもので、これらの業種への販売が不振であることが挙げられる。今後は、これまで開拓が進まなかった民間企業向けのニーズを拡大する必要があるとみられる。
2008年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、製品ラインアップの豊富さと全国的なパートナー網の充実から、ESRIが2番手を大きく引き離す33.3%で1位となった。同ベンダーは安定した売上を示しており、今後も高いシェアを維持するものとみられる。
15.6%で2位の日立ソフトウェアエンジニアリングでは廉価版製品「GeoMation Remix」を、8.0%で3位のゼンリンはASP/SaaS(Software as a Service)モデルの「OA-Light IV」の提供を開始しており、ともに中堅・中小企業市場の開拓を推進している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.