ミック経済研究所の調べによれば、電子認証サービスの売り上げ規模は、2008年度が前年対比7.2%減の33.6億円、2009年度が0.3%増の33.7億円と見込まれている。なお同調査では、「電子認証サービス」をPKIによる認証を行う際、電子証明書を発行する認証局のASPサービスと定義している。
2009年度の市場占有率(売上金額ベース)をみると、日本ベリサインが61.1%を獲得して1位となり、市場をけん引している。セキュリティ意識が特に高い金融業界を中心に同社のサービスが導入されている他、開発データなどを保護するため製造業でもニーズが高まっている。また、次世代ハッシュ関数へ先駆けて対応しており、金融業界での定着が一層進むと予想される。ただし景気低迷の影響から2009年度は横ばいになると見込まれている。
2位のサイバートラストは11.0%を獲得した。同社では海外で開発した自社パッケージにより認証局を構築していたが、現在は認証局の管理、運用を中心とする日本で開発したサービスに注力している。日本市場のニーズに的確に対応でき、また導入が容易なため幅広い規模の顧客に普及を図っている。
3位にはインテックが10.7%で続いた。同社は、電子認証サービスの単独提案だけではなく、VPNの構築や各種セキュリティソリューションの構築など、総合SIerとしてワンストップでの提案を行っている。今後は、販売パートナー制度による販路の拡充でシェア拡大を図る。
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