富士キメラ総研の調べによれば、2009年度のBIツール市場規模は200億円、数量で2080本であった。2009年度当初は、総合ベンダーの事業統合によるシナジー効果や不況下における攻めのIT投資として、BI投資の活発化が見込まれたものの、見通しを超えるIT投資の抑制などの影響から、市場はマイナス成長となった。2010年度は、前年から持ち越された案件の復活や競争力向上に向けたデータ活用ニーズの高まりにより、プラス成長が見込まれる。
2009年度の市場占有率を見ると、廉価で使い勝手に優れた国産製品を幅広いユーザー層に拡販したベンダーが、数量ベースで34.0%を占め1位となった。一方、専門的でなく容易に使用できる製品を提供したベンダーが、厳しい市場環境でありながら比較的堅調な推移となり、金額ベースでは27.0%で1位、数量ベースでも23.6%で2位となった。数量ベースで3位のベンダーは15.4%で、金額ベースでは26.0%で2位だった。
BIツールはERPと一括して導入されるケースも多く、IFRS対応に伴うERP刷新に合わせた需要拡大や、セグメント情報の開示の分野でBIツールを活用するといったニーズの拡大なども予想され、2011年度以降も継続的に好調な推移が期待される。また、2009年度は景気悪化の影響が大きかった製造業の占める割合に若干の低下が見られたが、2011年以降は本格的な回復が予測され、市場をけん引していくものとみられる。
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