富士キメラ総研の調べによれば、2009年度の統合運用管理ツール市場は、ライセンスとサポート料を合わせた合計金額が1900億円であった。同分野は、マルチベンダー化した企業システムの統合運用管理業務の効率化ニーズを取り込む形で市場を拡大してきたが、2008年後半からの市況の悪化を背景に、プロジェクトの先送りや凍結、規模の縮小などが相次いだことにより、2009年度は微増にとどまった。
今後については、クラウドコンピューティングの盛り上がりとともに、運用管理業務の複雑化が予想されており、全体可視化やプロビジョニングなどのニーズを取り込んだ、製品の改良やマーケティング戦略の強化が進められている。
2009年度の市場占有率を見ると、数量・金額ベースともに1位のベンダーは、ジョブ管理製品でのブランドの強さが際立ち、金額ベースで27.1%を獲得した。同じく2位のベンダーは22.6%であった。前年度以前から契約済みだった公共分野の大型案件が、産業分野での減少分を補完する形になった。同じく3位のベンダーは17.4%で、2009年度は横這いだったとみられるものの、クラウドサービスのITインフラでの利用を目的とした製品展開は、既に引き合いも出てきている。
2010年度も引き続き景気の影響を受けやすい投資動向に大きく左右されるものと見られ、横這いでの推移が予測されている。
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