富士キメラ総研の調べによれば、2009年のビジネスプロジェクター市場(ホームシアター専用機を除く)は、数量が16万5000台で4.9%減、金額が260億円で5.5%減であった。同市場は、景気悪化の影響を大きく受けたため、2007年以降減少傾向が続いている。2009年も前年に続き減少となった。
2009年の市場占有率(数量ベース)を見ると、1位のベンダーが36.7%を獲得した。また、金額ベースでも23.8%で1位であった。同社は液晶パネルメーカーでもあり、製品化を含め同市場をけん引する。
企業需要低迷により各社とも販売は伸び悩んだが、2009年については上位3社のシェアに大きな変動は見られなかった。そうした中で、台湾メーカーが低価格戦略により販売を伸ばしており、その他も含め国内市場は25ブランド以上の参入がみられる市場となった。
2010年以降は、低価格化に加えWXGAや短焦点モデルの増加による一般企業での買い替え促進、教育機関による需要増、さらにデジタルサイネージなどの新規需要の開拓によって市場拡大が期待される。
ただし、デジタルサイネージ用途については、ウィンドウディスプレイなどとして店舗、商業施設や金融機関などへの設置が見られるが、全体での比率はわずかである。今後も低価格化や高輝度化が進められ、同用途の需要も見込まれるものの、薄型モニターとの競合があり、大幅な伸びは見込みにくい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.