調査リポート
「文書管理」シェア(2009年度):シェア情報アーカイブ
e-文書法や公文書管理法、IFRSといった法制度対応への期待から、市場の伸長が見込まれる「文書管理」。シェア情報を紹介する。
ミック経済研究所の調べによれば、2009年度の文書管理の市場規模は、前年対比2.4%減の48.5億円であった。不況の影響で、案件の凍結やスリップが多く、売り上げを伸長できない企業が多かった。同年度、最もウエイトの高い製造業への導入が前年対比8.4%減少した。特に不況の影響を大きく受けたためと考えられる。
2009年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、2008年に引き続き1位となった富士ゼロックスは、金額が9億円で1.1%減となったものの、シェアを0.3ポイント伸ばし18.6%であった。17.9%を獲得し2位に入った日立製作所の2009年度の出荷金額は、8.7億円、前年対比横ばいであった。同社は景気変動の小さい公共分野に強く、リプレース需要が堅調であったため、市場全体が低迷する中、横ばいを維持できた。
2009年度の文書管理パッケージ市場では、SaaS/ASPサービスの提供が進んでいない。2010年度には、日立製作所がSaaS型グループウェアと連携して、文書管理パッケージのSaaS提供を開始するが、そのシェアは市場全体での1%に満たず、2010年度もパッケージでの導入が多い。
2010年に入り、景気の底打ち感により停滞していた案件が動き出していることから、同市場は前年対比7.6%増の52.2億円と伸長が見込まれる。各ベンダーはガイドラインが明確となったe-文書法や公文書管理法、IFRSといった法制度対応への期待を高めている。
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