アイ・ティ・アールの調べによれば、2008年度までは堅調な成長を維持してきた中堅企業向けERP市場は、2009年度の出荷金額が前年比2.3%減の約370.4億円と、マイナス成長に転じた。
2009年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、50ベンダーが競う混戦市場の中で、1位のオービックは豊富な業種別パッケージと全国的な販売網を強みに安定した出荷金額を維持し、23.1%のシェアを占めた。2位には、従来製品に加え、富士通から製品(「GLOVIA smart」)が移管されたことにより、7.5%を獲得した富士通マーケティングが浮上した。3位には7.0%で日立製作所が続く。
2010年度の同市場はIT投資の拡大に伴って回復し、前年比7.9%増の399.7億円になると予測する。レガシー化している基幹系業務システム全体のリプレースや、部分的に導入されたパッケージを刷新するといった案件による成長が期待できる。
今後に関しては、比較的規模の大きな中堅企業では大企業と変わらない業務の複雑性を抱える場合が多く、子会社、取引先、グローバル対応を含めたシステム化や、IFRS対応へのニーズに対してどこまでベンダーが応えられるかが問われる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.