富士キメラ総研の調べによれば、2009年度の複合機の国内市場規模は、モノクロ機とカラー機の合計数量が50万5000台で、合計金額が2900億円であった。そのうちカラー機は30万台で2150億円を占める。モノクロ機からカラー機への代替が進展しており、カラー機需要に支えられることで市場を拡大させた。
昨今は景気低迷のあおりを受けて縮小基調となったが、業務ドキュメントのインタフェースとしてオフィス環境での当該製品の重要性は高まっており、今後は回復基調に向かうものとみられる。また、業務効率や迅速性の観点からドキュメント管理の重要性が認知されつつあり、文書管理や文書共有におけるドキュメントサーバとしての役割を担うことも見込まれ、業務アプリケーションと連動したソリューションビジネスの拡大も当該市場においては成長を後押しする要因と考えられる。
2009年度のカラー機の国内市場占有率を見ると、数量で1位のベンダーは31.7%を獲得し、金額でも32.6%で1位だった。カラー機で先行したことや大手企業などに対するハイエンドモデル需要に強みを持っていた点で高い実績を誇る結果となった。今後もカラー機を主戦場として捉え、ハイエンドだけでなくローエンドモデルの拡充を進めることで大手から中小企業までの需要獲得を図る方針である。
なお、本調査の市場見込および予測では、東日本大地震による影響は織り込まれていない点に注意したい。
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