調査リポート
「SaaS型メール総合セキュリティ」シェア(2010年度):シェア情報アーカイブ
2010年度、前年比9.5%増で176億円であった「メール総合セキュリティ」市場より、SaaS型のシェア情報を紹介する。
アイ・ティ・アールの調べによれば、2010年度のメール総合セキュリティ市場は出荷金額が176億円で前年比9.5%増だった。提供形態別に見ると、パッケージとアプライアンスは微増だったが、SaaS型は前年比21.0%増の高い伸びを示して80億円となった。コスト削減のために、自社で導入・運用してきたメッセージングセキュリティシステムをSaaSに移行する企業が増えていることが背景にある。
2010年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、インターネットイニシアチブがサービスメニューの豊富さと信頼性の高さから、19.4%のシェアを獲得し1位となった。2位には16.9%でシマンテック(旧メッセージラボのサービス)、3位には11.9%でNTTPCコミュニケーションズが続いており、各社ともに高い伸びを示した。
メッセージングセキュリティは、メールに関する脅威を水際で食い止めやすい、社内メールシステムの負担を軽減しやすいといった理由から、SaaS型製品への期待が高い分野である。特にスパムメール対策を中心に複数の機能を統合したメール総合セキュリティ製品は、サービスプロバイダーが複数ベンダーの製品を組み合わせてワンストップサービス化をする動きが活発なことから、2010年度はSaaS型の出荷金額がオンプレミス型並みの水準に達した。メールシステムそのもののクラウド化も進展しており、SaaS型への移行は2011年度以降も進むとみられている。
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