調査リポート
「中堅企業向けERPパッケージ」シェア(2010年度):シェア情報アーカイブ
2010年度、前年対比2.9%増の349億円とプラス成長に転じた「中堅企業(年商50〜500億円)向けERPパッケージ」。シェア情報を紹介する。
ミック経済研究所の調べによれば、2010年度の中堅企業(年商50〜500億円)向けERPパッケージ市場規模は、前年対比2.9%増の349億円とプラス成長に転じた。横這いを含めて前年実績維持を果たした中堅企業向けERPパッケージベンダーは、2009年度は全体の4分の1にすぎなかったが、2010年度は37社中24社と65%となり、市場全体は微増ながら市況の好転を表している。
IFRS(国際財務報告基準)への対応は、2010年度も基幹業務の見直しのきっかけというよりは、方針決定までの間の慎重な見極めの姿勢となって表れた。一方で経済が低迷する中、前年に直面したシステム案件の再始動や、期ズレ案件が納入された結果、全体では前年比プラスの業績となった。
2010年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、オービックが20.6%を獲得して1位であった。2010年度は、前期受注残がフィックスしたことと、「FXシリーズ」で標準版(3月人給、4月販売・生産)が出そろったことから各業種に展開した結果、製造業の受注増で通年でも堅調な伸びを確保できた。
中堅企業向けERPパッケージ市場は、案件規模縮小の中、投資抑制緩和の動きを受け、短納期でコンパクトなERPパッケージのさらなる機能の拡充で上位案件の獲得が進む。震災関連への投資シフトや電力抑制などの懸念材料はあるが、グローバル案件の吸収により同市場がいち早く活性化すると思われる。
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