調査リポート
「IP-PBX」シェア(2010年度):シェア情報アーカイブ
2010年度、656億円であった「IP-PBX」。2010年度の金額ベースシェアで、30.5%を獲得し、1位になったベンダーとは? シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2010年度のIP-PBX市場は656億円であった。2008年度後半の景気低迷の影響により2009年度に市場全体が低調となったが、景気の回復とともに企業における当該製品への投資が回復し、2010年度から2011年度は需要が堅調に推移する見込みである。
ただ、既存ユーザーのリプレースでは、主装置をリプレースしても電話端末を使い続けることが多いことに加え、子機として携帯電話端末やスマートフォンを活用するケースが増え、固定型のレガシー、IP電話端末の出荷台数が減少したことなどから1案件あたりの単価は下落傾向にある。
2010年度の市場占有率(金額ベース)を見ると、1位のベンダーは製造業ユーザーの需要に回復傾向がみられたことから実績が拡大し30.5%を獲得した。IP-PBX、ビジネスホンといった呼制御装置のラインアップの充実を強みに、当該製品とソフトウェアを活用して企業内の業務システムとの連携、携帯電話端末やスマートフォンとの連携による生産性向上を訴求する。
当該製品は業種を問わず大規模な拠点を中心に広く普及しており、老朽化に伴う既存ユーザーのリプレース需要がほとんどである。今後も同様のリプレース需要は継続すると考えられるが、労働力人口の減少による絶対数の減少、品質向上に伴うリプレースサイクルの長期化が想定されることから、当該市場は縮小傾向で推移すると考えられる。
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