調査リポート
「中小企業向けERP」シェア(2011年度):シェア情報アーカイブ
「中小企業向けERP」市場は、景気後退で抑制傾向にあったパッケージのリプレースが再開された。シェア情報を紹介する。
アイ・ティ・アールの調べによれば、2011年度の中小企業向けERPの国内市場は出荷金額で11.2%の伸びが予測される。景気後退によってここ数年パッケージのリプレースが抑制傾向にあったが、再開するユーザーが増えた。
2011年度の市場占有率(予測、出荷金額ベース)を見ると、2009年度から3年連続して上位3社が半数のシェアを占める。
2010年度に引き続きオービックビジネスコンサルタントが首位を堅持し、21.2%のシェアを獲得すると見込まれる。2位には会計分野に強いミロク情報サービスが続き、18.0%とシェアを拡大して1位との差を縮めつつある。3位のOSKはパートナーからの販売が拡大しており、2010年度に続いて出荷金額を大きく伸ばし、11.4%を獲得すると予測する。
中小企業向けERP市場は、本来SaaS型ERPの潜在力を期待できる市場であるが、提供形態別に見たSaaS型のシェアは大企業や中堅企業向けの市場に比べて低く、2%程度にとどまる。計画的に導入することで導入後は安定的に利用できるパッケージ製品に対して、それを超える大きなメリットが提示できなければ、同市場におけるSaaS型の大きく伸びやベンダー別シェアの勢力図を大きく変えることは難しいと考えられる。
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