調査リポート
「UTMアプライアンス」シェア(2011年度):シェア情報アーカイブ
ネットワークに対する脅威が複雑化する中、運用が容易なために中堅中小企業などを中心に導入が拡大する「UTMアプライアンス」市場。シェア情報を紹介する。
ミック経済研究所の調べによれば、2011年度のUTM市場は前年対比10.8%増の158億4000万円であった。近年ネットワークに対する脅威や被害が多様化、複雑化する中、各種設定や運用が容易なことから、情報システム専任要員がいない中堅・中小企業や地方自治体を中心に導入が拡大した。
2011年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、フォーティネットジャパンが25.3%を獲得して1位だった。同社は、クラウド、ソーシャルネットワーク、モバイルといった3分野へのソリューション提供に注力するだけでなく、顧客規模およびレイヤーを問わない幅広いトータルセキュリティソリューションをワンストップで提供できる体制を整え、今後も市場をリードするものとみられている。
2位はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズで17.8%であった。同社はノキアのセキュリティアプライアンス事業の買収以降、買収効果もあり上位に躍り出た。両社とも、2012年度の出荷金額が前年度を上回る予想となる。
近年急拡大を続けてきた同市場だが、ここのところ成長度合いは鈍化している。ファイアウォールやVPNアプライアンスを中心に展開していたシスコシステムズやジュニパーネットワークスがUTMアプライアンスに置き換えるなど、置き換え需要も重なって2012年度も前年対比11.2%増の176億2000万円と引き続き好調を維持するものと予測される。
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