調査リポート
「中堅企業向けERPパッケージ」シェア(2011年度):シェア情報アーカイブ
2011年度の「中堅企業向けERPパッケージ」で前年比増となったベンダーは、業種テンプレートの拡充などによるところが大きい。シェアを伸ばした2位、3位ベンダーは?
ミック経済研究所の調べによれば、2011年度の中堅企業向けERPパッケージ市場は前年比6.3%増の362億円であった。
IFRS(国際財務報告基準)への対応が、適用時期の延期の影響を受けた一方で、前年に直面した延伸案件の再始動や期ズレ案件が納入された結果、全体では前年比プラスとなった。前年比増のベンダーは、業種テンプレートの拡充、グループ導入などのグローバル案件の受注や、バージョンアップによるところが多い。
2011年度の市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、1位のベンダーは21.0%。前年度に主要モジュール(人事、給与、販売、生産)やテンプレートが出そろったことから、会計とのセットによる実質的なERP型の導入が進んだ。
2位のベンダーはで9.5%。人事、給与、販売、生産などラインアップ拡充により露出が増え、製造業での案件が拡大した。3位のベンダーはで9.0%。前期期ズレ案件の納入やサブ業種テンプレートの品ぞろえ拡充により、前年比29.8%増と大きな伸びとなった。
概して中堅企業における景気停滞期のIT投資は、収益性向上よりもコスト削減の方向へウェイトが傾けられる。同市場も短納期でコンパクトなERPパッケージの機能の拡充で上位案件の獲得が進む。引き続き、円高や電力抑制などの懸念材料はあるが、グローバル案件の吸収により同市場が着実に立ち上がるものとみられる。
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