富士キメラ総研の調べによれば、2012年度のIP-VPN市場規模は、スタンダード型で1156億円、エントリー型で546億円の合計1702億円と見込まれる。
当該市場は、数量ベースで見ると、各事業者が新型VPNでエントリー型の需要を順調に獲得して成長傾向で推移した。だが、金額ベースで見ると微減傾向となった。事業者間のサービス機能に差がなくなり価格競争が激化したことや、各社がバックボーンを新築した新型VPNの投入によってサービス価格の低廉化を実現したことなどが要因に挙げられる。
2012年度の市場占有率(金額ベース)を見ると、1位のベンダーが45.3%。クラウド利用時のネットワークサービスとしての利便性や信頼性ニーズを獲得し、新規ユーザーを中心に好調だった。2位のベンダーは17.1%で、スマートデバイスやクラウド利用によりエントリー型が好調だった。スタンダード型もWAN運用の負担軽減を目的とした需要喚起などで堅調の見込みだ。3位のベンダーは11.8%で、同社の広域イーサネット製品への移行が進み、減少傾向とみられる。
今後は、ネットワーク設計の自由度が高く、低コストで広帯域な広域イーサネットへの需要が高まることから、スタンダード型への需要は減少するものと考えられる。一方でエントリー型は、支線系での運用管理負担軽減ニーズの継続により成長傾向が継続するとみられる。
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