調査リポート
「シンクライアント端末」シェア(2012年):シェア情報アーカイブ
2012年は97億円と見込まれ、VDI環境での大規模な採用で裾野が広がる「シンクライアント端末」市場。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2012年のシンクライアント端末の国内市場規模は97億円と見込まれる。
2012年の市場占有率(金額ベース)を見ると、金融業の超大型案件を獲得したベンダーが30.9%で1位だった。2位は27.8%で、幅広いラインアップをベースに通信業や公共での大型案件を取りこんだ他、大手SIベンダーとの協業による大型採用が増加した。3位は17.0%で、ノート型の実績が高い点が特徴的であり、金融業、公共、通信業での需要が多い。
従来はSBC(サーバベースドコンピューティング)によるシンクライアント採用が中心だったが、VDI(デスクトップ仮想化)の大規模導入の増加による裾野の拡大が進み、急速にVDI環境におけるシンクライアント採用が増加した。VDI環境で使用されるシンクライアントの比率は、2012年には60%を超える見込みだ。
サーバのパフォーマンス向上に比例して仮想化されたデスクトップの集約化は一層進むため、VDI構築ソリューションの導入価格も低廉化する。ただし、SBCも集約性によってソリューション単価がVDIより割安になり、VDI同様にサーバ性能向上の恩恵を受ける。そのため、SBCの採用は今後も一定数を維持するものと想定される。また、文教向けに市場を構築したネットワークブート方式がVDIにリプレースする傾向もあり、VDIの適用範囲が拡大するとみられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.