検索
特集

スマートフォン内線化は、実現方式で何が違う?IT導入完全ガイド(3/5 ページ)

BYODが浸透する中、注目されるスマートフォン内線化。固定電話や従来のスマホ支給と比べた場合のメリット、迷いがちな各実現方式の違いなどを分かりやすく解説する。意外な落とし穴にも注目だ。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

PBXサーバの自社設置のスペース、運用管理の問題をクリアするクラウドサービス

 実現方法(2)は、自社にPBXサーバを設置するのではなく、クラウド業者のサービスとしてスマホ内線化を実現するものだ。PBX機能をクラウドを通じて利用することができるので、完全に移行できるのなら既存PBXの撤去、通話端末の総IP化を短期間に進めることが可能になる。

 とはいえ完全な既存PBX撤去には不安が残る場合は、社内に残して一部で運用を続けながら、スマホ内線化や社内のIP電話化を促進することが必要だ。そのどちらの場合にも対応可能な、最新サービスのイメージは図3のようになる。

スマホ内線化クラウドサービスの例
図3 スマホ内線化クラウドサービスの例(出典:NTTコミュニケーションズ)

 このサービス(執筆時点未発売)では、スマホは特定のベンダーに限らず、各OS向けの専用アプリ(ダイアラーなど)を使ってPBXサービスを受けることができるという。マルチベンダーのスマホ内線システムが、初期費用と月額料金で次に述べる携帯キャリアのFMCサービスと同等か比較的低コストなサービスになりそうだ。

 なお、マルチベンダー対応のサービスの場合でも、専用のアプリ(ダイヤラー/図4)により、オンプレミス構築の場合と同様に各種の内線機能を利用することができる。

クラウドサービスのスマホアプリ画面
図4 クラウドサービスのスマホアプリ画面(出典:NTTコミュニケーションズ)

コラム:IP-PBXとSIPサーバ、スマホ内線化アプライアンスの違い

 PBXとして機能するサーバはその技術によりIP-PBX、SIPサーバ、他のアプライアンスと3種類ある。利用する通信プロトコルに違いがあるが、基本的には同様の機能を持っている。

 従来のPBXから発展したのがIP-PBX、ネットワーク技術としてのVoIP実現のために生まれたのがSIPサーバやアプライアンスだと考えて、それぞれの注力視点が違っていると理解しておくとよいだろう。

 SIPサーバはIP-PBXよりも柔軟で、ユーザー側でのアプリ連携などの工夫がしやすく運用管理が専門会社でなく自社でも担当できるという強みがある一方、プロトコルの互換性にまだ問題があり、利用機器を同一ベンダーに統一せざるを得なくなってコストがかさむケースがある。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る