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2014年企業におけるタブレット導入白書すご腕アナリスト市場予測(4/4 ページ)

スマホが携帯電話を置き換えたように、タブレットがノートPCの代わりとなる日は? 企業でのタブレット導入シナリオに迫る。

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Windows XPサポート終了はタブレット市場にどう影響するのか?

 2014年4月といえば、消費税率改正以外にもIT関連の大きな変化がある。Windows XPのサポート完全終了である。PC、タブレット、スマートフォンいずれも「端末」という観点では同じといえる。

 さらにWindows XPサポート終了によって発生するPC入れ替え費用はユーザー企業にとっても大きな負担だ。その結果、タブレット導入に割ける予算が減って普及スピードが一時的に減速するのではないかといった懸念もあるかもしれない。

 また、中長期的に見た場合にはタブレットがPC市場を侵食する(タブレットがPCの代替手段になっていく)のではないかといった観測もあるかもしれない。

 そうした懸念や観測への一つの答えとなるのが以下のグラフである。年商500億円未満のユーザー企業に対し、「タブレットを含むスマートデバイスとPCが投資面で互いに影響する可能性」について尋ねたものである。

スマートフォンやタブレットの活用がPC導入に与える影響
図5 スマートフォンやタブレットの活用がPC導入に与える影響(出典:ノークリサーチ「2013年版中堅・中小企業におけるPC環境の実態と展望レポート」)

 「PC導入は別予算なので、スマートフォンやタブレットによる影響は全くない」が約6割と半数を超えている。つまりタブレットはPC市場を侵食するものではなく、全く新しいIT活用を担う役割として認識されているといえる。

 これは本稿の中に挙げた幾つかの活用シナリオからも明らかだ。いずれも単にPCを代替するものではなく、業務システム側での対応も必要な新たなIT活用シーンであることがご理解いただけるだろう。ユーザー企業のみならず、ITソリューションを提供する販社、SIerとしても、「タブレットをスマートフォンやPCからの単なる派生物ではない、新たなIT活用を担う端末」と捉えることが大切だ。

 以上、タブレットの定義から活用実態、活用シナリオと留意点などについて考察してきた。企業におけるタブレット活用はまだスタート地点にすぎず、今後どれだけの活用シナリオが生み出されるか?によって普及率も大きく変わってくるだろう。

 普及率が上がり、タブレットがIT活用における当たり前の存在となれば、価格低下など多くの便益がユーザー企業に還元される。そのためにもユーザー企業が日々の業務の中で「こんなことをタブレットでやったら面白いのでは?」といった興味、関心を持ち続けることが重要だ。本稿がその契機となれば幸いである。

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