ワークスタイルを変える「複合機」の今:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
顔認証、人体検知、紙文書の電子化。次々と進化する複合機の最新事情を実際に編集部で実験した。ワークスタイル変革の中心となり得る複合機の実力とは。
基本機能と付加的機能が目的に合致するか
現場の要望をそのまま受け入れているとオーバースペックな機種を導入してしまいがち。ネットワークプリントが当たり前の時代だからこそ、配備するオフィスの業務にふさわしい機種を選びたい。
カラー/モノクロ、月間印刷枚数により商品価格帯が異なるので、現状のニーズを調査してから機種選択し、適材適所の配備を図りたい。ステープルなどのフィニッシャー機能を付ける機種は一部だけにするなど、コスト効果を考えて導入しよう。
最近では空気清浄器付きの複合機なども登場している。病院や学校に置くことを想定に発売されているが、場合によってはこういった付加的機能も見ていくと良いかもしれない。
クラウド対応やモバイル端末対応は先を読んだ決断が必要
新技術が普及すると業務も従来の延長上では考えられなくなる。クラウドやモバイル端末の利用ニーズは急速に強まると考えて、対応可能な機種を選択しておくことが重要だ。オプションソフトを使わなければコスト面での不利はない。今すぐに利用しなくてもよいので、いつでも利用開始できる用意だけはしておきたい。
操作パネルや消耗品交換のしやすさ
操作パネルのスマートデバイスライクな操作性(図10)が多くの機種に搭載されるようになり、パネル自体のサイズも大きく、見やすくなってきた。また用紙トレイの開け閉めの軽さや消耗品交換(図13)、あるいは紙詰まり除去などの操作性も少しずつ改良が加えられている。実機を触って確認してほしい。
各種アプリケーションの追加ができると便利
複合機を利用するクラウドサービス、例えば複合機でスキャンすると名刺管理DBに登録されるサービスや複合機をタイムカードがわりに使える勤怠給与管理サービスなどが続々登場している。
また、ベンダーが開発環境やAPIを公開している場合には、複合機を組み合わせた自社ソリューションの開発も可能だ。複合機内部のアプリ開発、外部のサーバと連携するアプリ開発、クラウドサービスの複合機メニューへの登録など、幾つものアプリケーション開発や追加の仕方がある。せっかくの複合機なので、投資効果を高めるためのアプリケーション追加の容易性も考慮に入れて考えたい。
災害対策にも役立つ複合機
東日本大震災でBCP対策の重要性を再認識した企業は多いはず。クラウドに業務情報をコピーしておけば、どこの拠点からでも、場合によっては個人PCからでも、モバイル端末からでも利用して業務継続できる可能性が高い。
一方、被災地では停電により業務停止した組織が多く、中にはプリンタ出力ができないために初動対応に支障が出るケースもあったようだ。その反省から、停電時でも一定の印刷作業が可能な世界初のバッテリー付き複合機が登場している。
バッテリーは1本で連続約1000枚の印刷が可能で、コピーやファックス送受信も数百枚分程度がまかなえる。予備バッテリーを余裕をもって用意しておけば、モバイル端末や携帯電話の充電にも流用可能だ。
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