富士キメラ総研の調べによれば、2013年度のIP-VPN国内市場規模は、スタンダード型とエントリー型の合計で1674億円と見込まれる。
スタンダード型IP-VPNは既に市場が成熟期を迎えており、各キャリアはエントリー型を投入することで、大手企業の幹線系のバックアップや支線系の需要、中小企業のWAN構築需要などの獲得を進めている。エントリー型の方が回線単価は低く、金額ベースの全体市場規模は縮小傾向で推移していくとみられる。
キャリア別の市場占有率(金額ベース/見込み)を見ると、1位のキャリアが45.5%で、エントリー型獲得の増加が続き全体も増加傾向となっている。2位もエントリー型の実績が拡大しており15.5%。クラウドやスマートデバイスによるワークスタイル提案を併せておこなっており、2013年度も堅調に推移すると見込まれる。3位は多サービスへの注力から11.4%にとどまっている。
L2/L3を統合したVPNサービスが登場してIP-VPNと広域イーサネットの機能面での差が少なくなってきており、いずれもコストメリットの高いエントリー型の需要が拡大している。今後の需要見通しは、スタンダード型は広域イーサネットの需要拡大の影響もあり減少傾向だが、エントリー型は、グローバル対応やモバイル回線をアクセスとして利用できるなど、サービス機能強化が続いており、中小企業を中心に新規需要の獲得が続くとみられる。
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