コスト部門から攻めのITへ、サービスデスク最新事情:IT導入完全ガイド(1/4 ページ)
お茶出しやプロジェクタ修理、そんなことまでサービスデスクで対応可能に? ビッグデータ解析エンジンも搭載するなど進化するサービスデスクの最新事情とは。
ただでさえ人手不足のITシステム運用管理部門の仕事の多くを占めるのが「ユーザーサポート」とシステムの「アラート対応」。ユーザーからの日々の問合せやサービス要求に対応する一方で、システム管理ツールが上げる障害や性能低下などのアラートには迅速に対処しなければならない。
社内のIT機器は増えるばかりなのに、日々のサービスに忙殺されて運用管理効率の改善策の検討すら難しい。そんな運用管理現場の悩みに答えるのが「サービスデスク」ツールだ。クラウド版が次々に登場し、利用しやすくなってきた。ITIL導入による本格的な運用管理改善の最初の一歩ともなるこのツールについて、役割と機能、選び方のポイントを紹介しよう。
「サービスデスク」ツールとは
「プロジェクタが壊れているようだ」「◯◯システムのレスポンスが遅すぎる」「プリンタの紙詰まりが直せない」「開発のためにサーバが1台欲しいのだが」。運用管理スタッフのもとには業務部門から日々さまざまな質問やサポート要請が寄せられる。
一方で運用管理システムの方からは機器障害や異常処理のアラートが上がり、その対応にも奔走してスタッフはいつも忙殺されてしまう。しかし、その努力にもかかわらず、運用管理業務へのユーザーからの評価は常にスタッフ自身の自負とは大きく懸け離れて低い。
「正常に動いて当たり前」と考えるユーザーにとって、スタッフがいくら苦労してもその仕事はいつも「遅すぎる」ものに映ってしまう。
つまりITシステムには日々さまざまな問題が繰り返し起きており、その量が運用管理スタッフを悩ませるとともに、業務部門のスタッフの生産性を低下させて不満を募らせてしまっているわけだ。この長年続く不幸な関係を改善し、Win Winの幸せな関係にしようというのが「サービスデスクツール」だ。
サービスデスクツールの機能と構成
ではサービスデスクツールの中身の紹介をしていこう。その全体像は図1に見るように、監視系などを除いた運用管理全般をカバーする。基盤になるのはCMDB(構成管理データベース)で、社内システム構成とともにインシデントや問題、変更、リリースなどの全情報を管理する。オンプレミス構築用ツールであれ、クラウドサービスであれ、どのベンダーでもコンセプトは共通している。
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