ウェアラブル対応も登場、遠隔会議の新潮流:IT導入完全ガイド(2/3 ページ)
遠隔地同士を音声や映像でつなぐ遠隔会議に対応したデバイスは、今やウェアラブルデバイスやパノラマカメラ搭載端末まで幅広いものが登場した。パノラマカメラで会議は変わるのか?
ウェアラブルデバイスとの連携
遠隔会議システムと連携するエンドポイントは、PCやスマートデバイスから、さらにウェアラブルデバイスへと拡大している。
例えば、市販のメガネ型カメラを活用し、工事やサービスの現場から実況中継を行うシステムが登場している。現場の担当者が装着しているメガネ型カメラから伝えられる映像や音声を、遠隔地の専門家が見て、聞いて、的確な指示を与え、円滑なコラボレーションを実現するというものだ。
メガネ型カメラには、Webカメラ、マイク、骨伝導スピーカーが内蔵されており、手元のスマートフォンやタブレットと有線で接続する。そこからインターネットまたはイントラネット内の中継サーバを介して、遠隔地のPCやタブレットと接続する仕組みだ。
図2 遠隔会議で使われているウェアラブル端末(上)耳にかける部分に骨伝導するためのスピーカーを装備。(左)真ん中に設置されたカメラ。(右)ウェアラブル端末を装着。普通の眼鏡とさほど変わらない印象(出典:エヌ・ティ・ティ アイティ)
最新のAV機器を活用したリアルな臨場感の醸成
これまでの遠隔会議システムは便利ではあるものの、実際に同じ場には集っていないという「違和感」を拭い去ることができなかった。そこに最新のAV(オーディオ&ビジュアル)機器を活用。リアルな臨場感を高め、システムの存在を意識させないビデオコミュニケーションを促していくための技術開発が活発化している。
360度のパノラマカメラをMicrosoft Lync環境で連携させたユニファイドカンファレンスシステムもその1つだ。会議室全体を映し出す他、会話の流れを追跡して発言者を自動的にクローズアップし、1080pのHD映像で表示する機能も備えている。
P2P通信によるセキュリティ強化
遠隔会議システムを利用したテレワークを本格的に推進していく上で必須となるのがセキュリティ対策だ。一般的にはエンドツーエンド(端末間)でのSSL暗号化などの技術が採用されているが、それでも不正傍受が懸念されるケースがある。
そうした特に高度なセキュリティ要件に応えるピアツーピア(P2P)通信方式のWeb会議システムが登場し、金融機関や行政機関を中心に導入が進んでいる。
P2P通信方式は、不特定多数のコミュニケーションに対応する柔軟性や自由度は欠けるが、一方でサーバの負荷増加などによるパフォーマンス低下の心配がない。通信の遅延を最小限に抑え、高品質の映像と音声を確保しやすいというメリットもある。
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