富士キメラ総研の調べによれば、2014年度の国内大規模企業向けERPの市場規模は795億円で、そのうちライセンス料が320億円、サポート料が475億円と見込まれる。
既に多くの企業で導入が進められているため、当該市場はリプレース中心の市場となっているが、近年ではタレントマネジメントなどの新たな機能の追加導入が市場拡大を支えているとみられる。加えて、海外拠点向けの新規システムの導入や、グローバルレベルでのシステム再構築などが市場をけん引していくものと予測される。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、1位が28.9%で、グローバル展開をおこなう企業を中心に高い実績を持ち、ERPのみではなく、トータルソリューションを提供可能な点を強みとしている。2位は28.3%で、直販営業によるユーザーニーズ対応の早さや無償バージョンアップによる価格競争力の高さから、実績が拡大している。3位は17.0%、4位が15.7%で、市場全体で見た場合、シェアの変動は少なくなっている。
セキュリティリスクやネットワーク環境などの問題から、基幹業務をIaaS/PaaS上へ移行することに懸念を示すユーザーも多く、オンプレミス型やプライベートクラウドが選択されるケースが多いものの、海外ではIaaS/PaaS上への移行が進んでいることから、長期的には国内でも徐々に移行が進んでいくものとみられる。
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