バックアップツールの導入状況(2014年度):IT担当者300人に聞きました(4/5 ページ)
バックアップツールの実態調査を実施した。導入率は全体で59.7%と高いが、中小企業での導入率は35.1%に留り、導入しない理由の1位は「メリットが明確でない」だった。
重視ポイントはコストを抜いて「運用管理の簡易さ」が1位
続いて、バックアップツールを「導入済み」と回答した人に、「導入時に重視したポイント」を尋ねた(図3-1)。その結果、1位は「運用管理の容易さ」で71.1%、2位は「導入工数、コスト」で57.8%、3位が「安定性」で51.2%、4位が「リカバリーの早さ」で27.7%、5位が「保守、サポート体制」で26.5%という結果となった。
バックアップはほとんどの企業でほぼ毎日実施する処理であるため、いかに安定的に自動化できるかがポイントになったと推測される。
また、「最も重視する」との回答では、「運用管理の容易さ」が36.7%で1位であるのに変わりはないが、2位は「安定性」で19.3%、3位は「導入工数、コスト」で18.1%と順位が逆転した。東日本大震災後の影響でコストよりも確実にデータの保守、復旧を安定して行うことを重視する企業が増えたと考えられる。
また、「バックアップツールの再検討タイミングで最も可能性の高いものは何か」という問いに対しては、1位が「サーバ統合、仮想化、変更するタイミング」で44.3%、2位が「OS変更するタイミング」で26.9%、3位が「ストレージ統合、仮想化、変更するタイミング」で13.2%という結果となった(図3-2)。
やはり、多くの企業で「サーバ統合、仮想化、変更」を意識しながら導入の検討がされ、そのタイミングに合わせてバックアップツールも刷新したいと考える企業が多いようだ。
また、3年前の結果と比べ、3位から2位に順位を上げた「OS変更するタイミング」については、2014年4月の「Windows XP」サポート終了や、2015年7月に控える「Windows Server 2003」サポート終了など直近では大きなOS更新タイミングが相次いでおり、このタイミングでバックアップ環境の整理に着手する担当者も少なくない。
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