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サービス復旧の視点から考える、バックアップツール活用術IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

バックアップはしてもリストアはしたことがない。では、操作ミス、機器障害、ウイルス感染、災害など、いざというときに通常の状態に戻すまでにどんな操作と時間が必要だろうか?

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 仮想化やクラウド化への対応、遠隔地に分散した拠点システムの統合バックアップ、災害対策、障害からの早急な回復など、バックアップ要件は近年ますます複雑化した。そんな中、最新のバックアップツールはさまざまなバックアップニーズに対応し、かつリストアとリカバリの高速化が図れるように進化した。

 柔軟なバックアップ運用が容易に実現できる今、バックアップツールの選び方は「運用管理コスト低減」の視点から、ビジネスの安全とサービス継続を主眼に据えた「利益を守り、損失を防ぐ」視点へと変わりつつある。新たな視点からバックアップツールを捉え直すために、今回はリストアとリカバリを主軸にバックアップツールの選び方を考えてみよう。

本当にリストア、リカバリできる? 最新バックアップツールの勘所

 操作ミス、機器障害、ソフトウェア破損、ウイルス感染、地震や火災などの災害。ITシステムを襲う予期せぬトラブルで業務データを一度完全に喪失すると二度と元には戻せない。だからこそバックアップは重要で、企業ITの最低限の安全保障だ。

 しかし、いざ障害などに直面したとき、ビジネスを通常の状態に戻すまでにどんな操作と時間が必要なのか、すぐにイメージできるだろうか。「バックアップはしていてもリストアはしたことがない」という管理者がほとんどのはずだ。

 いざというときにビジネスへの影響を最小限にするためには、運用管理技術者の手腕に頼るのではなく、コスト最適に最短時間でサービスを復旧するための仕組みを備えることが重要だ。

 サービス復旧を考えるときに重要なのが、「RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)」と「RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)」だ。障害などからどれだけ早く復旧できるかがRTOであり、これは早ければ早いほどよい。また、RPOはどの時点のシステム状態を復旧できるかであり、これは場合によって違いはあるが、一般的には障害直前の安定していた時点の状態に近ければ近いほどよい。RTOとRPOはデータ保護の仕組みやデータを保管する媒体によって図1のように異なる。

RPOとRTOの目安
図1 RPOとRTOの目安(出典:Arcserve)

 これまではRTOとRPOの短縮を目指せば目指すほど、コストがかかる仕組みを作らなければならなかった。しかし最新のバックアップツールでは、従来とコスト感が大きく異なる仕組みづくりが可能になった。まずは、ビジネス復旧までの時間をカギに、データ保護の方法を見てみよう。

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