最新LANスイッチ事情、枯れた技術と思うなかれ:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
当たり前のように使っているLANスイッチだが、ここにきて規格化を目指す高速化技術やSDNへの挑戦など、新たな動きがある。LANスイッチの最新動向を追う。
チェックしておきたいサポート体制
既にコモデティ化したLANスイッチだけに、ある程度枯れている機能が多いため、さほどサポートを気にせずに購入するケースもあるだろう。しかし、今やネットワークがビジネスの生命線になっていることからも、万一の障害に備えたサポート体制はあらためて確認しておきたい。
ネットワークの設計から運用までをSIerに任せているのであれば問題ないが、自前で環境を整備する場合は、そのサポート窓口のスキルセットをしっかり確認しておきたい。特にさまざまなものと接続されるLANスイッチだけに、何か障害があったときの原因究明は多少困難な部分もある。
サポートの技術水準を十分に確認しておくべきだ。実際にはサポート窓口をアウトソーシングしているケースも見受けられるため、どこまでしっかり対応してもらえるかはしっかりと問い合わせしておきたい。
なお、保守についてもセンドバック保守だけでなく、事前に代替え機を提供してくれるようなサービスがあれば便利だろう。細かな部分もしっかりチェックしておこう。
将来的な拡張性を考慮
LANスイッチそのものの基本的な機能は大きく変わっていないが、例えばセキュリティ対策が求められたり既存環境でのさらなる高速化が求められたりなど、外的な環境によってネットワークに必要な要件は変わる。それ故、可能な限り将来に渡って柔軟に対応できる拡張性を持ったものを選択しておきたい。
伝送速度の高速化や冗長性など安定的に稼働させるための仕組み、IPSをはじめとしたネットワークセキュリティの拡充、無線環境との融合など、ネットワークに求められる幅はこれからも広がることだろう。先の見えない状況ではあるものの、どこまで拡張していけるのかは十分検討しておきたいところだ。逆に、単機能だけで使うと割り切った選択の仕方もある。
保守性を高める機能を確認すべし
最近のLANスイッチには、ループが発生した際にポートを遮断したり自動復旧させるような機能がついていたり、通常系と待機系双方のルートを事前に確保しておき、何か障害があれば切り替わるリダンダント機能がついていたりしているが、これらはネットワークのダウンタイムを最小限に抑えることができる機能として重宝する。
こういった保守性を高める機能については十分見ておきたい。物理的に有線接続する場合は、ユーザーの誤接続は避けられないものだ。LANスイッチ側で異常が素早く検知できる機能が求められる。
その他、保守性を高める機能としては、SDカード内にファームウェアやコンフィグ情報を事前に格納しておき、何か障害が発生して機器の入れ替えを行う際にSDカードブートできれば、複雑な設定をせずとも復旧を容易に行うことができる。シンプルな機能だが、まさかの際には活躍してくれるものになることだろう。
製品によっては、LANスイッチ起動時にコンフィグが格納されている設定サーバのIPアドレスをDHCPによって取得し、コンフィグ情報を自動的にダウンロードできる機能を持ったものもある
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