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IoTが企業にもたらすインパクトすご腕アナリスト市場予測(2/4 ページ)

国内市場規模およそ9兆円に達した「IoT」だが、IT部門ではどう取り組むべきか。事例も交えつつ企業システムに及ぼす影響を解説する。

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IoT市場の現状と未来

 次に国内のIoT市場の成長の様子を見てみよう。上記のような5つのレイヤー、7つの技術要素全部を含めたものがIoT市場全体ということでみれば、その売上額合計は2014年のIDC調査によれば9兆3645億円に達する。この市場を、テクノロジー要素別に将来予測も含めてグラフ化したのが図2だ。

国内IoT市場のテクノロジー要素別売上規模予測
図2 国内IoT市場のテクノロジー要素別売上規模予測、February 2015(出典:IDC Japan)

 全体的に規模が年々拡大しており、IDCでは2014〜2019年の年間平均成長率を11.9%と見ている。2019年には16兆4221億円にまで達する見込みだ。同期間の従来のICT市場(スマートデバイス、携帯電話、PC、PC周辺機器、通信機器、通信サービス、サーバ、ストレージ、ソフトウェア、ITサービスなどで約25兆円の市場)の年間平均成長率はほぼ横ばいになるとみられるため、ICTに関わるあらゆるベンダーは、IoTへの取組みを必然的に強化していくことになると考えられる。

 さらに市場を業種別に見てみたのが図3だ。

国内IoT市場産業分野別投資動向
図3 国内IoT市場産業分野別投資動向、March 2015(出典:IDC Japan)

 図3に見る通り、最もIoTに投資していて今後も拡大していく業種は、製造業や農業・鉱業などの資源関連産業だ。これまでも工場や圃場・鉱山などの現場で組み込み系システムを運用していた業種であり、IoTとの相性はもともとよいし、投資効果も得やすい業種といえるだろう。現在は全体の約40%を占めている。

 その次が流通/サービス業で、物流状況のトラッキングやバスやトラックの運行管理など、主に移動情報を利用するシステムにさまざまなIoTデバイスが活用されており、これからの伸び代も大きい。さらに次が公共/インフラで、こちらはスマートメータや、道路や橋など公共設備のメンテナンスが中心になる。この2つの分野でIoT市場のそれぞれ約25%を占めている。

 残りの10%に当たるのが、金融業と個人だ。金融業では、銀行ATMの監視カメラなどのセキュリティ確保のためのIoTが中心であり、個人では、カーナビや体重計、ウェアラブル端末などが利用されている。

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