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クラウドメールは機能性とUIで選ぶIT導入完全ガイド(7/7 ページ)

誰もが業務に欠かすことのできないメール。オンプレミスのメールサーバでは運用管理に悩む企業も多いはず。クラウドメールサービスの導入における不安を解消する術や留意点を紹介する。

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可用性、SLA、サポート体制を調べる

 Gmailは2013年に稼働率年間99.978%(年間停止時間90分以下)を記録しており、クラウドだからといって可用性が低くなることはない。ベンダーの利用するインフラによっても左右され、ネットワーク障害やユーザー側のトラブルにより停止することもあり得るものの、一般的に稼働率が設定値より下回ればベンダーがペナルティ(値引きなど)を負うSLAがあれば、ひとまずは安心して使ってよいと思われる。多くのクラウドメールが99.5〜99.9%といった数字を設定しており、恐らくオンプレミスのメールサーバの稼働率が現実にこれを上回っているケースは少ないのではないだろうか。

 それよりも、設定や運用管理あるいはオペレーションに関するサポートが24時間365日利用できる体制にあるかどうかの方が重要だろう。国内ベンダーは非常に手厚いサポート体制をもつことが多く、相談しやすく、解決が早い。海外ツールはその点課題があるが、SIerなどがサポートを代行してくれるサービスを提供しており、直接ベンダーに問い合わせるよりも迅速に、また多くの場合はユーザー業務を知っているだけに適切な対応をしてもらえる。

導入、データ移行、初期設定、ユーザー教育は支援サービスの利用が効率的

 従来のドメインをそのままクラウドに移行したいケースがほとんどだと思われる。従来の運用方法をなるべく変えずにクラウド移行するにはそれなりのノウハウが要り、ベンダーおよびSIerの協力が必要な場合が多い。国内ベンダーはともかく、Google AppsやOffice 365の導入にはSIerの力を借りた方が短期間で結果的に低コストになる可能性が高い。

 クラウドへの移行に当たって問題になりがちなのは、ライセンスの購入形態(ユーザーリソース分)やタイミング、手続き、ネットワーク帯域の設定、社内や社外からのアクセス経路と制御方法、DNS設定といった基本部分をはじめ、既存システムからのデータ移行、既存アカウントの移行の方法、さらにエンドユーザーおよび管理者の習熟(教育)、問題発生時や新機能利用時のサポートなどだ。

 支援サービスではユーザー企業ごとに最適な導入、データやアカウント移行、初期設定を施してくれる。また教育面では専用施設や設備を利用した集団講習や講師派遣なども行われている。こうした支援サービスを利用しながら導入を図った場合のスケジュール例を図8に掲げる。

Office 365導入の場合のスケジュール例
図8 Office 365導入の場合のスケジュール例(出典:富士ソフト)

 以上、今回はオンプレミスのメールシステムをクラウドメールに移行する際の基礎知識と注意ポイント、最新動向について紹介した。メールはある意味枯れた技術なのでサービスでも同じと考えるのは早計で、特色ある選択肢がある。コスト低減と業務効率化を考えた上手な移行の助けになれば幸いだ。

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