企業のログ管理はクラウド版や無償ツールの登場でどう変わる?:IT導入完全ガイド(4/6 ページ)
今やログ管理は企業規模を問わず、発注元などから求められる要件になった。ログ収集の無償ツールがリリースされるなど、新たな動きもみられる。統合ログ管理ツールの最新動向を紹介する。
SaaSとしての統合ログ管理ツール
上記の(2)に近いが、分析やレポーティングまで自社で行うタイプがいわゆるクラウド型の統合ログ管理ツールだ。図3にそのログデータ収集のイメージの一例を示す。自社内に導入したエージェントから常時サービス側にデータを送る方法と、業者が提供するAPIに合わせて各種ログをバッチスクリプトで送信する方法がある。
従来のオンプレミス用統合ログ管理ツールの機能がこれまでもSaaSとして提供されてきたが、最近ではソフトバンク・テクノロジーがHadoopをベースにした新サービス「4DP LogSearch」を開発して提供を始めている。新規参入のサービスだけにログ取得実績などにオンプレミス用ツールとの差があるもののPC資産管理ツールやデータベースからのログ、その他セキュリティ関係のログ取得と分析機能、監査レポートテンプレートが用意され(図4)、グラフ表示やダッシュボード、ログ内容の条件指定によるアラート発報などの機能を利用して非専門家でも一定の管理が行えるように工夫されている。
なおASP・SaaS型に最も求められるのはコスト優位性だろう。あくまで参考資料にすぎないが、Excelでのログ解析とのコスト比較によれば、2年でコストが約70%削減可能というデータがある(図5)。
手作業に比べれば、大幅なコスト削減につながるのは明らかだ。慣れていて使いやすいExcelだからといって使い続けることが、企業にとって愚かな選択になる可能性もあるので、いま一度自社のログ管理を見直したいところだ。一方、オンプレミス型ツールの価格は製品によって大きな差があり単純比較はできないものの、製品価格だけで図5の2年分のコストに匹敵する場合もあるようだ。
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