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「Chromebook」は法人利用で生きるのか?IT導入完全ガイド(5/7 ページ)

2014年夏から日本でも販売されたChromebook。米国では教育現場をはじめ法人市場での導入が進んでいるが、日本ではどうなるか?

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Chromebookの活用シーン

 Chromebookがビジネスで活用されるシーンとして、以下のような例が挙げられる。

ノートPCの代替

 まず、ビジネス向けのノートPCの代替として活用できる。前項で紹介したようなChromebookならではの制限は発生するものの、それらをクリアした運用ができれば、従来のノートPCと同様に活用できる可能性は高い。また、基本的にWeb環境で利用することになるので、スケジュール管理や勤怠管理、営業資料の共有、全体連絡といった、即時性のある情報共有にも期待ができる。

病院、医療機関

 Chromebookを「キオスク端末」に設定することで、単一の機能を持たせたデバイスとして利用できる。例えば病院などで、患者の受付専用のデバイスとして活用できる。ChromebookがWebブラウザベースの端末であるという特性から、HTMLベースの受付システムを導入し、そのアプリのみが動作するように設定すれば、専用受付システムをコストを抑えて導入・運用できるというわけだ。もちろん、Chromebookの持つ高いセキュリティ性を生かし、顧客の個人情報を担保しながらの活用が可能だ。

学校法人、学習塾

 ユーザーが各自ログインせずに使うような、生徒の「共有端末」としてChromebookを使うことができる。複数のユーザーが使うにもかかわらず、端末でできることを管理ツールから一括管理でき(詳細は後述する)、別途MDMなどを導入する必要もないのでコストの削減が期待できる。

シンクライアント端末

 Chromebookは、CitrixおよびVMwareとの協業によってVDI(Virtual Desktop Infrastructure)端末として活用することが可能となっている。シンクライアント端末を別途用意することなく、Chromebook1台でVDI環境を利用できる。

 こういったさまざまな方向で利用可能なChromebookではあるが、大きく普及を遂げている米国に対して、日本での普及はまだまだ兆しを見ることも難しい。Googleの国内パートナーベンダーの分析によれば、「管理コンソール」の本格的な認知が2015年に大きく進み、翌2016年から本格的な企業導入が進んでいくのではないかと予想しているという。

コラム:教育市場で爆発的人気の理由とは?

 米国の教育市場で、Chromebookが大きな人気を博しているのだという。直近のデータでは、2014年の第3四半期において、教育市場向けのiPadが70万2000台出荷されたのに対し、Chromebookは71万5500台の出荷を果たしたという。

 その人気の理由の1つは、もちろん端末自体が低価格であるところだ。そしてバッテリー駆動時間が長いこと、さらに起動までの時間が10秒程度と短いことが理由として挙げられている。また、後述する「管理コンソール」によって、リテラシーがそれほど高くない教員でもChromebook端末を管理できるところが採用されている理由であると推測できる。今後は日本の教育現場でもChromebookがスタンダードデバイスとして活用されるかもしれない。

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