富士キメラ総研の調べによれば、2015年度のウイルス対策ツールの国内市場規模は、サーバやクライアントPCなどを対象とした“エンドポイント”向け製品が254億円、インターネットゲートウェイを対象とした“ゲートウェイ”向けが133億円と見込まれている。当該製品は基本的なセキュリティ対策として業種や業態を問わず既に多くの企業に導入が進んでおり、更新需要による安定的な市場を形成している。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、“エンドポイント”では、1位のベンダーが46.1%で、2位が24.8%、3位が14.2%となっている。“ゲートウェイ”では、1位が56.4%、2位は19.5%、3位が16.5%で、“エンドポイント”1位のベンダーが“ゲートウェイ”でも首位となり、2位と3位は入れ替わっている。
2015年はWindows Server 2003の保守サポート切れに伴うリプレース需要が予測される。長期的には、IoTやビッグデータなどへの対応を目的とした新たなシステム構築ニーズに伴う需要拡大が見込まれるものの、既存ユーザーの更新需要が中心であるとみられ、微増傾向で推移していくものと予測される。
データセンター向け市場に関しては、国内市場の8.4%を占めるものと見込まれる。ITシステムがオンプレミスからデータセンター/クラウド利用へと移行が進む中で、ウイルス対策ツール国内市場全体に占めるデータセンター市場占有率は上昇していくことが予測される。
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