サービスデスクツールの導入状況(2015年)(2/5 ページ)
サービスデスクツールの導入実態を調査した。導入率はわずか16%で、大企業と中小企業では5倍以上の開きがあることが分かった。
大企業の2割超がITIL導入済みも中小企業の6割、大企業の3割が「検討予定なし」
次に、「国際基準であるITILの導入状況」について尋ねた。全体としては「既に導入している」が12.1%、「導入を検討中」が3.0%、「検討予定はない」が43.6%、「分からない」が41.3%という結果となった。
「既に導入している」という人を企業規模別に見た場合、1001人以上の大企業では25.0%が導入済みであるのに対し、101〜1000人以下の中堅企業は4.5%、100人以下の中小企業は3.7%にとどまり、大きく差が開いた。一方で、1001人以上の大企業では31.0%、101人〜1000人以下の中堅企業では46.4%、100人以下の中小企業においては61.1%が「検討予定はない」と回答した。
周知の通り、ITILは2003年以降に日本に上陸して広まってきており、ITILに準拠したサービスデスクツールが多く出てきてはいるが、実装面においては検討段階にすら入っていない企業がいまだに多いことが分かった。
続いて、「導入目的」(複数回答)について尋ねたところ、「導入済み」においては、1位が「サービスレベルの標準化」で67.5%、2位が「ナレッジの蓄積・共有・可視化」で57.5%、3位が「対応スピードの向上」で55.0%、4位が「対応工数の削減」で40.0%、同率5位が「人件費の削減」「問い合わせの窓口の一元化(アサイン・エスカレーション管理)」で30.0%と続く結果となった(図2-1)。
また、「導入予定」においても上位5項目の順位は同じ結果であった(図2-2)。ここで注目したいのは、「人件費の削減」の優先順位が高いことだ。「導入済み」「導入予定」それぞれ複数回答において全体では5位だったが、目的の1位(単一回答)を尋ねたところ、「サービスレベルの標準化」に次ぐ2位であった。いかに日々のサービスデスク業務において人手や工数が割かれているのか、といった現状が見てとれ、人件費削減も導入を通じて期待できる効果の1つとなっている。
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