特集
サービスデスクツールの導入状況(2015年)(5/5 ページ)
サービスデスクツールの導入実態を調査した。導入率はわずか16%で、大企業と中小企業では5倍以上の開きがあることが分かった。
「全システム網羅は無理」「独自運用とITILとのすみ分け」が課題
最後に、全員に対して「サービスデスクツールに関する課題や悩み」について尋ねた。フリーコメントには「自社内システムの規模が大きく多種多様で、全てを網羅するのは現実的に無理なので、部署単位で対応している」「ミニマムで運用を開始したいが、ニーズに合う製品が見つからない」「導入する業務システムとこれまでの窓口対応手順とのすり合わせが不十分。今後の運用で発生する課題を管理していく必要がある」という意見が寄せられた。
サービスデスクの業務改善は、もちろんツールの導入だけで済む話ではなく、導入を検討する上で業務フロー全体の見直しを行うことがポイントとなる。
また、どこの部門・部署まで包括するのかといった拡張範囲の検討の際に課題感を持つ人も多いようだ。さらに、「ITILはシステム運用のための参考書と説明しても理解されにくい。教科書の中から自分たちに必要なものを取り入れるといっても、実例を求められる」「独自運用のITIL化のポイントや、独自運用とITIL運用のすみ分けの要所などが分かると良いと思う。全てがITILというわけでもないと思う」という声も見受けられた。
インシデント管理からリリース管理まで全ての運用管理情報をカバーする上で、運用業務の自動化や相互連携による効率化は欠かせない。業務全般を体系化し、再構築するための指針としてのITILの正しい理解が必要不可欠であろう。
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