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データ連携ツール最前線、民主化するシステムの中核だIT導入完全ガイド(1/5 ページ)

アプリケーションやデータのポータビリティ性能が飛躍的に向上する中、マルチクラウド環境でのシステム構築に役立つ「データ連携ツール」が進化を続けている。

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 仮想化技術の広がりに合わせて、アプリケーションやデータのポータビリティ(可搬性)性能は飛躍的に向上しており、自社の環境からデータセンター、そしてクラウド環境に至るまで、アプリケーションやデータが分散して配置可能な時代だ。だからこそ、これらを円滑に連携するための仕組み作りが欠かせないものになっている。そこで活躍するのがデータ連携ツールだ。今回は、このデータ連携ツールの基本について振り返りながら、進化を続けるデータ連携ツールの今を紹介していきたい。

データ連携ツールとは?

 システム間でやりとりされる情報を円滑につなぐデータ連携の仕組みは、現在さまざまなカテゴリの製品が市場に展開されている。複数のシステム間をつなぐハブとして機能するEAI(Enterprise Application Integration)をはじめ、DWHに大量のデータを投入する際に用いられるETL、メインフレームをはじめ異なるプラットフォーム間でファイル交換を行うファイル転送ツール、システム連携の基盤となるESB(Enterprise Service Bus)などもデータ連携を行うための仕組みとして利用可能だ。

 これらの製品群はこれまで利用用途によって使い分けられてきたが、EAIであってもETLのような高速化が求められるなど、企業におけるニーズの多様化に伴って同じ土俵で語られることも少なくなくなってきた。そこで今回の企画では、複数システムのハブとなるEAIを中心にデータ連携における今のトレンドを見ていくことにする。

 なお、サーバとクライアント間のコネクションを確立、維持させることが可能なWebSocket技術を利用することで、インバウンドポートを解放せずにクラウド側から特定のフォルダへ安全にアクセスできるツールも登場するなど、クラウド時代に求められるデータ連携に適した製品も市場に投入され始めている。これまでの製品カテゴリ以外にも便利に活用できるデータ連携の仕組みが続々と生み出されている状況だ。

データ連携ツールの機能

 ここで、EAIを中心としたデータ連携ツールの基本的な構造について見てみよう。EAIでは、各アプリケーションに対応したさまざまなアダプターが用意されており、それぞれ対応したAPIによってデータを変換し、システム間のデータ連携がシームレスに行えるようになっている。

データ連携ツールの基本構造
図1 データ連携ツールの基本構造 ※1:送信のみ可能 ※2:受信のみ可能 ※3:出力のみ可能(出典:インフォテリア)

 EAIのメリットは、既存システムに手を加えることなくデータ連携が可能になるため、将来にわたって柔軟な拡張が可能になる点だろう。新たにシステムを構築する際には、既存システムとの連携が求められる場面が多い。EAIのようなデータ連携基盤があれば、新しいシステムはハブとなるEAIとのインタフェースを意識するだけでよく、既存システム側とのインタフェースもEAIが制御してくれる。システム拡張が容易なだけでなく、メンテナンスコストの軽減にも大いに役立つものになる。

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