営業現場に受け入れられる「SFAツール」活用の心得:IT導入完全ガイド(4/5 ページ)
営業の生産性を向上させ、売上アップにつなげる活動に役立つSFAツールだが、何より難しいのが「営業現場への定着」だ。営業現場に負担をかけない仕組み作りのコツを紹介する。
地図連動機能
地図情報と顧客情報を連携させることで、顧客訪問を効率よく行うことができるようになる。顧客情報やコンタクト履歴がきちんと管理できていれば、訪問前に地図上から顧客情報をクリックし、ドリルダウンするだけで訪問前に必要な情報を手軽に入手できるようになる。
この地図機能は、地域に限定した営業活動を行ったり飛び込み営業を行ったりする営業スタイルが中心の業態には最適だろう。図5では、最終接触日や企業規模で顧客を表示するサンプルとなっているが、進捗状況など自社にあったアイコン表示が可能となっており、営業スタイルに合わせた地図情報の活用が可能だ。
名刺情報のOCRスキャンも地味ながら便利
顧客管理や案件管理の情報として、顧客先訪問時にもらった名刺情報を入力し、コンタクト履歴として情報を蓄積していくこともあるだろう。ただ、1日に大勢と名刺交換をしている営業担当者にとって、入力そのものが負担になるケースもある。そこで便利なのが、名刺情報のOCR入力だ。現場の負担を減らす機能として地味ながら効いてくる機能といえる。展示会など多くの名刺情報を獲得した際には、特にOCRによる入力機能があると便利だ。最近では外部の名刺管理サービスと連動するものもある。
SFA最新動向
SFAツールの新たな動向として挙げられるのは、新たなデバイスとの連携に関する話題だろう。具体的には、Apple WatchをはじめとしたスマートウォッチやPepperなどロボットとの連携だ。
スマートウォッチとの連携については、画面をタップしたり音声入力したりすることで、位置情報をもとに現在地周辺の顧客情報をSFAツールの顧客DBから検索して表示することが可能になる。また、表示された顧客情報をタップすれば、訪問履歴として報告することも可能になる。画面情報が小さいために日報などの情報入力は難しいものの、これからの活用方法の広がりに期待が持てるものだ。
またロボット連携については、SFAツールのスケジュールデータから来社予定の担当者をロボットに表示し、来客した際には担当者に連絡がはいるような受付の仕組みが想定されている。担当者が受付にくるまで、会社の紹介や天気など顧客の求める情報を使ったコミュニケーションなども検討されている。SFAツールに蓄積された顧客情報をどう使うのか、さまざまな試みが今後も行われていることだろう。
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