富士キメラ総研の調べによれば、2015年度の国内文書管理ツールの市場規模は115億円で、そのうちイニシャルコストが81億5000万円、ランニングコストが33億5000万円と見込まれている。
当該市場では1000人以上の大規模企業を中心に導入が展開されてきたが、ペーパーレス化による業務効率化や、コスト及び管理スペース軽減といった効果が期待され、中堅規模から中小企業においても導入が浸透してきている。2015年からは、“e-文書法”の規制緩和により、領収書/契約書/見積書などの多くの書類を電子化して保存し原本を破棄できるようになったことで、市場拡大や新規ユーザー開拓の大きな機会になるとみられている。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、1位のベンダーが17.0%を占めている。2位は14.3%で、大企業の実績が高く公共/金融で導入が進んでいる。同社は自治体の図書館で電子図書としての用途を見いだしている。3位は10.9%、企業規模に合わせた製品すみ分けで導入が進んだ。4位は9.6%で、ECMとBPMを統合したプラットフォームとして提供し実績を伸ばしている。5位は9.1%。6位は5.7%で中規模企業を中心にユーザーを獲得してきている。
今後は、複合機やタブレット端末などのハードウェア製品との連携を高めることで製品価値が向上し、利用機会が増えると考えられており、2019年度までの市場の年平均成長率は5%と高い水準で推移していくと予想されている。
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