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「革新システム」構築を加速するノンプログラミング開発の行方すご腕アナリスト市場予測(4/5 ページ)

情シスと業務部門が持つジレンマの解決に貢献するノンプログラミング開発。その特徴や普及状況、導入事例まで、その実態に迫る。

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業務部門による開発、運用は可能か?

 と、ここまではいいことばかりのようだ。しかし、以上はIT部門やSIerがツールを利用した場合の話。業務部門が自力でツールを使いこなしてアプリケーションを開発・運用できるかどうかはまた別だ。

 ツールのタイプとして先ほど3つのタイプ分けを紹介したが、もう1つの軸もある。それはコーディングについて知識のないビジネスユーザーが自分自身で使えることを目指したツールか、プログラミングの要素がどこかで必要になるツールか、という視点だ。革新システムに適したツールは、前者の側面を強調していることが多いが、本当にプログラミングの知識が不要なのかどうかには、私としては疑問を抱いている。システムを理解した人が担当しないと、実際にはまだ本格的な業務部門だけでの開発、運用は厳しいのではないかと考えている。

 むしろインパクトが大きいのは、SIerの側ではないだろうか。SIerのビジネスモデルは開発工数に応じて対価を得る仕組みだ。工数が多ければ多いほど金額が大きくなって利益が出やすい構造なので、工数が圧縮されるノンプログラミングツールの適用には積極的になれないのが本音だろう。実際には単に工数だけでは評価できない部分も多いのだが、一方でノンプログラミングツールを用いた提案を行うライバル会社があると、どうしてもそちらの方が価格面工期面ともに優れて見えてしまうのだ。

 今後は、好むと好まざるとにかかわらず、どのSIerでもノンプログラミングツールを利用した工期圧縮に取り組まざるを得なくなるだろう。もしも従来人月計算の中に開発工数以外のノウハウ提供やリスク負担などの価値がとり込まれていたとすれば、それは新しい費目で見積もる必要が出てくるかもしれない。

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