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SSDかサーバサイドフラッシュか? サーバ向けフラッシュストレージを選ぶIT導入完全ガイド(3/3 ページ)

SASディスクの価格が高止まりし注目されるフラッシュストレージ。SASやSATA HDDとは比較にならないランダムリードライトの高速性が売りだ。

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 基本的に性能が求められるサーバにフラッシュストレージを適用するのが常道であり、多くの場合はWebサーバ、DBサーバ、基幹業務アプリケーション、仮想環境などに向く。

 エンタープライズ向けSSDなら、SAS HDDのハイエンド機種と同様に24時間365日などの連続稼働に耐え、ホットプラグにも対応し、高頻度のアクセスを処理できて、SAS HDDよりも速度が速い。

 サーバサイドフラッシュ(PCIe SSD)ではさらに高いI/O性能を生かしたDBサーバの高速化が期待できる。また、単に「速くなる」というのもそれはそれで魅力だが、別の視点から考えてみると、次のようなメリットも得られよう。

パフォーマンス目的のRAIDなら必要なくなる可能性がある

 従来パフォーマンスが重視されるシステムではRAIDによって複数のHDDにデータを分割して書き込みや読み出しを行って高速化を図ってきたが、高速なフラッシュストレージをサーバに1台入れるだけで、同等以上のスループットが出る可能性がある。複数HDDやRAIDコントローラーの保守コストや運用管理の手間が不要になるかもしれない。

外部ストレージのI/Oオフロードでボトルネック解消が図れる

 特にVDIなどI/Oが頻繁に起きるシステムの場合、外部の大容量ストレージの代わりに個々のサーバに直接接続されたフラッシュストレージをキャッシュとして利用することで外部ストレージの負荷を軽減することができる。場合によっては95%以上のキャッシュヒットが行えることもあるといい、VDI運用時のブートストームなどの一時的なピーク値のためにストレージを補強するような非効率な投資が必要なくなる可能性がある。またストレージネットワークのオーバーヘッドなしに多くの処理が行えるためレスポンス向上も期待できよう。

 図2は、サーバ搭載のSSDやサーバサイドフラッシュおよびメモリをプール化し、共有ストレージ利用の高速化を図るための最新ツールのイメージ例だ。サーバ内にSSDやサーバサイドフラッシュ、あるいは大容量メモリを導入し、VM上にソフトウェアをインストールするだけで、ネットワーク変更などの手間なくパフォーマンス改善が図れるようになっている。

 サーバサイドフラッシュの付属ツールでもその製品専用に同様の仕組みを取ることができる。こうしたツールを利用すれば、既存環境のサーバサイドへのフラッシュストレージの追加が簡単で、スケールアウトしやすくなる。ネットワーク構成やクラスタリングなど、通常の共有ストレージ利用では複雑になる構成変更が必要なく、シンプルにパフォーマンスを改善できるところに注目したい。

Pernix FVP
図2 SSDをサーバ内で共有ストレージのキャッシュとして利用するツール(Pernix FVP)のイメージ(出典:ネットワールド)

I/O性能が向上するため、コア数を削減してアプリケーションコストを削減できる可能性がある

 I/O処理待ちで消費するCPUリソースを低減させることができるため、アプリケーションの処理効率のために確保していたCPUコア数を削減できる可能性もある。コアごとのライセンス料金体系になっているDBMSなどのライセンスコスト削減につながるかもしれない。

以上、今回は特にサーバに導入するフラッシュストレージに関して述べた。高速性や拡張性を求める場合にはこうしたタイプが都合が良い。しかしもっと大容量を求める場合や、既存のディスクアレイを置き換える場合、高可用性を従来のディスクアレイソリューション同等に求める場合には、ストレージサイドへのフラッシュストレージ導入が不可欠になる。

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