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ワークフローツール導入後の「課題あるある」から製品の見極め術を学ぶIT導入完全ガイド(1/3 ページ)

「ベンダーが市場から撤退」「夢とのギャップにあぜん」。ワークフローツール導入後にありがちな6つの課題から選定術を学ぶ。

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 ワークフローは1度導入すると多くの部署の業務に浸透するのでなかなかリプレースするのが難しい。しかしながら大幅な業務効率化やコスト削減効果を期待して導入してはみたもののうまく使いこなせず、ユーザー部門から不満の声が上がってしまうといった事態にも陥りやすいので注意が必要だ。そこで本稿では、ワークフローツールを導入した企業が直面しがちな課題を紹介するとともに、そうした課題を解決もしくは避けるためのヒントを示したい。

夢を抱きすぎて現実とのギャップにあぜん

 まず、よくあるのが「紙の書類を何もかも電子化すれば業務効率が200%もアップ!」などと、ワークフローツールに夢を抱きすぎて導入した結果、理想と現実とのギャップに阻まれて失敗してしまうケースだ。

 例えば、当初は取引先との受発注の承認決裁にワークフローツールを使いたいと意気込んで導入してみたものの、関連する書類があまりにもたくさん存在しているため、全てを電子化して回覧する方が逆に手間がかかってしまうと判明。結果、従来ながらの紙ベースの業務フローに戻ってしまうといった失敗例がしばしば見受けられるようだ。

 この場合、ベンダーによる書類の電子化サービスもあるが、こうしたサービスを使うにしてもそれなりのコストが発生することになる。そこまで含めて投資対効果があるのかどうか、あらかじめ検討しておく必要がある。

電子メールや他システムとの使い分けが曖昧

 どのツールを使ってどういった効果を上げるのか、目的が明確でないままワークフローツールを導入した結果生じるケースとしてよくあるのが、電子メールとの使い分けが十分でないことによる混乱だ。同じ書類を回覧するのに、ある部門ではワークフローツールを使い、ある支社では電子メールを、そしてまたある部門では個別の業務システムを使うとなると、運用が統一されずに処理する側は混乱をしてしまう。

 こうした事態に陥らないようにするためには、ここからここまでの手続きにはワークフローツールを使い、これは電子メール、これは紙のまま、経理に関するものは経理系の既存システムといったように、全社で運用方法を明確にしておかねばならないだろう。

身の丈に合わない複雑なツールを導入してしまった

 中小企業に多いのが、ベンダーが誇示する成功事例や高度な機能に釣られて、自分たちのスキルでは使いこなせないような複雑なワークフローツールを導入してしまい失敗するというパターンだ。

 特に注意したいのが独立したデータベースを構築する必要があるツール。この場合、入力と集計でそれぞれ別口となることから、セッティングやメンテナンスにそれなりの経験やスキルそして手間が必要となる。

 スキルのある情報システム担当者を多数抱えた大企業なら問題ない事柄であっても、少ない人数で十分なスキルもないままインフラからアプリケーション、ネットワークまでの面倒を見なければならない中小企業の情報システム担当者にとっては大きなハードルとなってしまう。そうした企業がワークフローツールを導入する場合は、データベースが一体となってシンプルで容易に扱えるかどうかも重要な要素となる。

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