ワークフローツール導入後の「課題あるある」から製品の見極め術を学ぶ:IT導入完全ガイド(3/3 ページ)
「ベンダーが市場から撤退」「夢とのギャップにあぜん」。ワークフローツール導入後にありがちな6つの課題から選定術を学ぶ。
ワークフローツールの導入後、社員や役員から「使ってよかった」と思ってもらうためにも、少し視点を変えた使い方や機能にも目を向けるようにしたい。ここではそんなちょっとユニークなケースを紹介しよう。
経費ブラックリスト認定で「役員専用ビュー」に登場しちゃうかも?
「件名」「起案理由」「積算金額」など、各種申請書の記入内容を選択するだけで自由にその内容の一覧表示画面を作成する機能を備えたワークフローツールもある。一覧表示された申請書の内容は、「本日より1カ月以内の帳票」など、さらに複数条件で絞り込むこともできる。
こうした一覧ビューは利用可能なユーザーを設定できることから、「経理担当者ビュー」「役員専用ビュー」など目的に応じた運用が可能だ。例えば社員の経費利用を適切に管理しなくてはならない役員は、本当に業務に必要な経費だったのか、勤怠管理ならば長時間の残業申請が多いのは誰かなどを把握しなければならない。そこで、それらの情報が一目瞭然となる「役員専用ビュー」を設定することで、管理の効率化を測ることが可能となる。
また、要注意社員がいた場合には、あらかじめその社員を登録し、月内の申請状況をチェックすることにも役立つ。そうした使い方を支援するために、このようなツールでは、ビューに表示された金額や数値の合計や平均を出したり、最大値や最小値を部署ごと、ユーザーごとに動的算出するなど、集計クエリ機能を備えている。表示された項目をCSV形式で出力し、文書として回覧することなども可能だ。
スマートフォンで外出先からリアルタイムに承認や申請も
小さな企業の場合、ワークフローツールを導入するよりも目の前の社員に紙で文書を回覧した方が速いといったケースも多々ある。しかし従業員30人ほどのあるイベント企業では、無駄な経費を抑えることに特化してワークフローツールを導入することでコスト削減を実現した。
イベントを開催する出張先では、何かと余分に物品を購入してしまいがち。そこで、出張先で社員がスマートフォンを使いリアルタイムに経費を事前申請、上司が承認するような仕組みを構築した。その結果、経費の利用状況が明確になり精算時の仕分けが自動化された。
また、社員のコスト意識も向上し、以前と比べて不要な経費が明らかに減少したという。ここでは、社員が外出先からインターネット経由で申請が行え、また導入や運用コストも安いクラウド型のワークフローツールが使われている。
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