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SDNと日本のインターネット基盤の未来とはKeyConductors(2/3 ページ)

柔軟なネットワーク制御を実現するとして注目を集めるSDNやNFVといった技術によって日本のインターネット基盤はどのように変化するのだろうか。

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SDNの活用で一歩進んだ仮想ネットワークを実現

 外山氏は「ここから先は個人としての期待になるが」と前置きし、「ハイパーバイザーによってホストOSの上にさまざまなゲストOSを搭載できるようになったのと同じように、ホストネットワーク上に、ISPやサービス事業者ごとにさまざまなゲストネットワークを載せる形ができればいいのではないか」という将来像を紹介した。

外山 勝保氏
基調講演を行う外山 勝保氏

 同氏が先にも説明した通り、フレッツ網は巨大な閉域IPネットワークと捉えることができる。そこにPPPoEやLT2Pといったトンネル技術を用いて各ISPそれぞれに独立した足回りを構築しているが、それでもまだ、各社のネットワークが混在してしまい、運用が自社だけで完結しないという課題がある。

 外山氏が期待するのは、もう一歩進んだ仮想ネットワークだ。「ISPが自前で物理ネットワークを構築したのと同じように扱える仮想ネットワークを実現できれば、付加価値の追加などが容易になるだろう」(同氏)。そこではISPごとの仮想ネットワーク(=面)が、個別のパスやフローによって構成される。さらに、各面では仮想ルーターが動作し、それぞれ最適なルーティングを行う、というイメージだ。そんな仮想ネットワークを設計し、コントロールする役割は「やはりSDN」だと外山氏は述べた。

 このようなネットワークが実現できれば、「機能面での付加価値も実現できるだろう。コンテンツ配信サーバやキャッシュ、セキュリティといったさまざまな機能をまとめておき、必要に応じて機能を切り出すようなこともできると期待している」(同氏)

 最終的には固定回線ネットワークにとどまらず、MVNOや公衆無線ネットワークも含めたさまざまなサービスやアクセスネットワークをまとめ、各ISP独自の付加価値を加えたサービスが可能になる。例えばクラウドサービスを提供しているならば、そのクラウドとシームレスかつセキュアに接続することをISPの「ウリ」にすることも考えられる。

 外山氏は「将来、IoTが広がっていけば、必要な帯域や使い方はISPやサービス事業者ごとにさらに多様化していく。『たくさん帯域が必要』『そんなにいらないから安くして』といったさまざまなニーズに合わせることができるだろう。家庭用のCPEをうまく活用することで、一括したネットワーク管理もできるようになるのではないか」と述べた。

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