IoT時代の組織マネジメントで考えるべき「3タイプの移行モデル」:KeyConductors(3/3 ページ)
接続機能を持つスマート製品が登場してきたことで、企業には新たな組織形態が求められる。どのように対応すべきだろうか。
IoT時代の組織をマネジメントするための3つの移行モデル
さらに接続機能を持つスマート製品が登場してきたことで、企業には新たな組織形態が求められることになる。
まずIT部門と研究開発部門との協業が重要になり、また開発部門と運用部門が一体となって製品のライフサイクルを短縮し、より市場ニーズに即した製品を継続して提供していく必要がある。いわゆるDevOps体制の構築だ。
次にデータを全社的な視点で分析/活用するための統合型データ部門も必要となり、先進的な企業では、既にCDO(最高データ/解析責任者)という役割を設置したところもある。さらには顧客を成功体験に導くような部門も必要で、これにより顧客との関係維持や製品のアップデートにつなげていくことが求められる。
「接続機能を持つスマート製品の登場によって、企業では新たな役割や機能が生まれ、さまざまな変化が発生することになる。経営層はこれらをうまくマネジメントしていかなければならない。具体的なアプローチ方法としては大きく3つで、1つ目が事業部間連携によるステアリングコミッティ、2つ目がセンター・オブ・エクセレンス(CoE)、そして3つ目が全く新たな独立部門を作ってしまうやり方だ」
例えば医療機器メーカーの米VENTANAでは、各部門の代表者が集まってステアリングコミッティを形成し、IoTに関わる取り組みを進めている。米GEでは、接続機能を持つスマート製品に関する専門性を持った本社独立部門(CoE)を設置している。また独ボッシュでは、損益責任まで持つ接続機能を持つスマート製品に関する主管部門を設けている。
「論文の中でポーター氏は、接続機能を持つスマート製品やIoTは、コンピュータ、インターネットに続く第3のIT革命だと言っている。しかしこの革命を企業の中から捉えたときには、『進化』として扱うべきだとも指摘している。今後企業は、接続機能を持つスマート製品によってもたらされる変化をうまくマネジメントしていかなければ、IoTの取り組みを進めることはできないだろう」
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