仮想化技術の普及で浮上した難問「TCO削減」の秘策とは?:KeyConductors(2/2 ページ)
サーバ仮想化技術はハードウェアのくびきからITリソースを解放し、柔軟に拡張できるシステムを可能にした。だが運用が煩雑になっていないか。
仮想化システムのTCOを劇的に削減
今回発表されたLenovo Converged HX Seriesには3モデルが用意されている。
標準的な処理能力を備えた「HX3500」は、仮想デスクトップやファイル&プリントサーバ、Webサーバといった一般的な仮想化ワークロードを想定したモデルだ。大容量ストレージを搭載した「HX5500」は、HadoopやSplunkといったビッグデータ向け、ハイパフォーマンスに対応した「HX7500」は、高いI/O性能が求められるオラクルやSAPといったエンタープライズアプリケーション向けに最適化されている。いずれも、「VMware ESXi」とNutanixがKVMをベースに最適化を加えた「Acropolis」という2種類のハイパーバイザーをサポートする。
ハードウェア面では、CPUやコア数、搭載メモリやSSD、HDD容量などをオプションの中から選択できる他、電源の冗長化によって可用性を高めている。今後、インテルのサーバ向けCPUの更新に応じて、対応機種の拡大も検討していく方針だ。
特徴は、NutanixのSDS技術によってサーバとストレージの機能を一体化し、専用管理ツール「Prism」を通して一元的に管理できることだ。負荷や仮想マシンの増減、移動が発生したときも「ストレージの使用率を平準化するインテリジェンスを備えており、性能を一定に保つことができる」(早川氏)。機器の増設やアップグレード、故障に伴う入れ替え作業が発生しても、全体としてサービスを止めない仕組みだ。
ニュータニックス・ジャパンの日本法人代表 マネージングディレクター、安藤秀樹氏は「インフラのことを気にしなくてもいい環境を提供し、IT基盤のお守りに当たる人々をもっともっと楽にしていきたい」と述べている。
Lenovo Converged HX Seriesの価格はオープン価格。ただし、同社のサーバに専用ストレージを組み合わせて構築する仮想化システムと比べ、「値引き後の価格と同じか、それよりも安価になるくらい」(早川氏)での提供を考えている。導入コスト以上に、ストレージの運用や仮想環境の管理に要する運用コストを劇的に削減できる点を訴求し、「ターゲットは全業種。今までコンバージドインフラが行き届かなかった中堅・中小企業や、運用管理者のいない地方拠点向けに提供していく」と早川氏は述べた。
レノボ・ジャパンの執行役員専務、安田稔氏は「ストレージ分野では今後もSDSが主流になっていくだろう」と予測。多様なデバイスの提案やパートナーとのシナジー強化といった取り組みとともに、SDSを活用した次世代ソリューションとして、ハイパーコンバージドシステムに力を入れていく方針を強調し、IBMから脈々と引き継いできたパートナー戦略や販売力も活用し、差別化を図るとした。
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