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企業におけるIT投資状況(2015年)/ユーザー部門編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

キーマンズネット会員1083人を対象に企業のIT投資状況を調査した。ユーザー部門が独自に持つIT予算はどのくらいか。

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中小企業で利用が進むクラウドサービス

 「SaaSなどのクラウドサービス」と「IaaS、PaaSなどのクラウドサービス」のユーザー部門における導入について、さらに細かく企業規模で数字を比較してみよう。

 まず、「SaaSなどのクラウドサービス」の導入率、新規導入予定について企業規模で見ると、中小企業(100人以下)で33.3%(新規導入予定12.5%)、中堅企業(101〜1000人以下)で18.4%(新規導入予定5.3%)、大企業(1001人以上)で29.5%(新規導入予定2.9%)という数値だった。導入が進んでいるのも、今後の導入予定の割合が多いのも共に100人以下の中小企業だった。

 次に、「IaaS、PaaSなどのクラウドサービス」の導入率、新規導入予定について見てみると、中小企業(100人以下)で22.6%(新規導入予定5.7%)、中堅企業(101〜1000人以下)で4.2%(新規導入予定8.3%)、大企業(1001人以上)で6.9%(新規導入予定4.2%)となり、こちらも100人以下の中小企業で最も導入が進んでいる状況が明らかとなった。

 IT製品・サービスの導入は、まず大企業で進み、その後中堅・中小企業での導入が進むことが一般的だった。しかし、クラウドサービスについては、自社のセキュリティガバナンスを効かせることが難しいため、セキュリティ対策を重視する大企業ではユーザー部門独自でのクラウドサービス導入がそれほど進んでいない結果につながっており、逆にコストを優先する傾向にある中小企業では比較的導入が進んでいるものと想定される。今後も中小企業での導入の伸びが期待されそうだ。

 以上、今回は企業におけるIT投資において、企業全体の傾向とユーザー部門の傾向についてそれぞれの結果をまとめた。以前よりセキュリティに対する注目が高まっている様子が読み取れるが、一方でユーザー部門の現場では、業務効率を上げるタブレットの導入が今後も増加する傾向が見られた。今後はさらなるクラウドの活用やモバイルアプリケーションやサービスなどのIT投資が増加することを期待したい。

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