検索
特集

つまづくポイントはここにあった、デスクトップ仮想化「方式別」に見る導入運用のポイントIT導入完全ガイド(4/4 ページ)

実はROIが高く業務活用に適しているデスクトップ仮想化。業務にあった方式を選択できればコスト高に陥るリスクも避けられる。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

ここが失敗しやすい、仮想PC方式の落とし穴

 特にコストの高さが導入障壁となっているようだが、物理PC運用よりもコスト高になることそのものは失敗ではない。それを上回るメリットがクライアント環境にもたらされるなら間違いなく成功だ。導入計画や運用の不備が予算割れや期待効果未達成につながらないよう、十分に注意して導入する必要がある。

 システムコストの問題の多くは、ストレージの問題だ。多数のクライアントがサーバに接続してログイン、作業を行うので必然的にI/O頻度は増加する。また十分なIOPSを確保するためにストレージに必要な本数のディスクを搭載するのが一般的。そのためストレージコストもSBC方式に比較して高くなりがちだ。

 またIOPSとは別に容量の問題もある。仮想PCに仮に100GBのストレージ容量を割り当てれば200台の運用で少なくとも20TB超の容量が必要になる。高速で大容量のエンタープライズ用ストレージは高信頼だが高価。仮想PC1台当たりのストレージコストは数万円以上を見込む必要が出てくる。これに加えてユーザー側デバイス、ネットワーク、冗長構成した物理サーバ、ソフトウェアライセンスなどが必要なので、ケースによっては従来の物理PC運用よりも高価になってもおかしくない。

 さらに、運用管理コスト削減効果も過度に期待してはいけない。大量に分散するPCが統合されることによって運用管理工数は軽減するが、PC個々の運用管理の責任がユーザーからシステム管理者の側に移るため、管理工数が増加する分は差し引いて考えなければならない。

 しかしながら、コスト増加を抑える手だてはある。ストレージ面、サーバ能力面、運用管理面でも運用の工夫と最新ツール機能の適用によってコスト削減は十分に可能だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る