情報システム関連の資格取得状況(2015年)/前編:IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)
308人を対象に情報システム関連の資格状況を調査した。保有する資格や、保有目的などの実態が明らかになった。
取得した資格、どのように役立てている?
こうして取得した資格は、実務にどのように役立っているだろうか。役に立ったと感じている資格をフリーコメントで尋ねたところ、「基本情報技術者」や「ITパスポート」などが挙がった。
その理由を見ると、「トラブル対応」「ヘルプデスク対応や社内システム構築の際に役に立つ」という経験をした人が多そうだ。ベンダーとの交渉やコミュニケーションの役に立っているという声も寄せられている。さらに、専門的な資格を取得した結果、データベースの設計や情報セキュリティ業務に役立っているという回答もあった。
一方「役に立たない」と感じた資格も挙げられているが、理由としては「現在の業務と直接的に関わりがない」というものが多かった。企業では配置転換や異動は付きものだが、それに伴って、せっかく取得した資格を生かす機会に恵まれなくなるケースもあり、中には、実務とは懸け離れた知識だと感じたり、資格の内容が古すぎたりという印象を持つ人もいることが本調査で明らかとなった。
実務との関係が密接だが、勉強や取得のしやすさも見逃せない要因に
最後に、資格保有者に対して「今後、取りたい資格はあるか」と尋ねたところ、「はい」が58.6%、「いいえ」は41.4%との結果だった。意欲のある人が多数派ではあるが、圧倒的ではないという状況だ。ただし、IT関連業に限れば「はい」は67.2%と高い比率だった。
合わせて「資格を取得する上で重視するポイント」を尋ねた(図2)。その結果、「実務への生かしやすさ」が69.4%、「キャリアアップ」が64.3%でほぼ同じ比率になった。資格を取得する目的として挙げられた「資格を取得すると資格手当がもらえるため」「資格・検定の内容(保有)が業務で必要(必須)としているため」と同じように、実務や待遇との密接な関係を示すものといえるだろう。
しかし、「勉強のしやすさ」(43.9%)や「資格取得までの費用」「取得のしやすさ」(いずれも33.7%)を挙げた回答者も一定数あり、いわば資格取得に関する「コストパフォーマンス」も見逃せない要因になっているようだ。
今回、実務で生かすことのできる情報システム関連の資格保有状況や保有目的を尋ねることで、資格取得は「業務」や「待遇」と密接に関わっていることが明らかになった。後編では、資格を保有していない人に対して「保有しない理由」や「必要性」などを質問した。さらには現在企業が行っている「資格支援状況」を紹介する。
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