大切なのは分かりやすさ、中小規模向けネットワーク管理ツールの選び方:IT導入完全ガイド(2/3 ページ)
ネットワーク管理は「うまく動いている」という理由で軽視されがちだ。あらためて中小企業が導入すべきネットワーク管理ツールの選定ポイントをまとめよう。
多くのベンダーが中堅・中小企業をターゲットにした製品を提供している。そこで、各社が目玉としている「中堅・中小企業に優しい」機能を紹介しよう。
中堅・中小企業だからこそ必要な「可視化」機能
最新のネットワーク管理ツールは誰にでも使えるように分かりやすい管理画面を用意している。例えば、Webブラウザからアクセスできるダッシュボードには時系列でのネットワーク利用状況や、CPU、メモリ使用状況などがグラフィカルに表示され、一目で確認できる。
また、あらかじめ設定したしきい値を超えたときに、アラートを発行する機能も重要だ。アラート時にメールやSMSなどを送信できる機能はもはや必須である。中には障害発生時には「赤色ランプが点灯する」などの仕組みを用意する情報システム部門もあるという。
アラートを上げて管理者に気付きを促す機能も重要だが、システムがアラートと連動して自動的にプロセスの確認を行ったり、あるいは機器を再起動したりといった対応を行うものもある。このような機能を活用することで、障害の未然防止につなげる効果も期待できる。導入検討時には、システムが対応できる検知項目の多さや、しきい値に達したときにどのような通知が出せるかを確認しておこう。

図1 障害検知から確認までの例。「トリガー」で検知したイベントについて関連するリソース情報をグラフで表示する。図はZabbixの例。(上)Zabbixで何を検知したのかをトリガーのステータスで確認(下)リソースに問題がないかをあらかじめ設定したグラフ(またはスクリーン)で確認 ※図はApacheとTomcatのリソース使用状況をスクリーン機能でまとめて表示(出典:アークシステム)
将来的な規模拡大にも柔軟に対応できるか
さらに重要なポイントは、将来的なシステムの拡大や、新技術の導入にも対応が可能かというスケーラビリティだ。
「仮想化」への対応を例にとってみよう。中堅・中小企業規模のシステムであっても仮想化によるさまざまなメリットが享受できるはずだ。この時、仮想化技術に対応できないようなネットワーク管理ツールでは、それ自体が事業成長の“ボトルネック”となりかねない。具体的に言えば、ネットワーク管理ツールが仮想マシン数などに対してどのようなライセンス体系を取っているのかは事前に把握しておくべきポイントだ。
また、オフィス移転するタイミングや、従業員の働き方改革などで無線LANへの移行を検討する企業も出てきている。この場合、無線LANアクセスポイントの設置位置における干渉状況などをマッピングするツール機能など、無線LANに対応もしくは特化したネットワーク管理ツールの導入を検討したい。
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